【帯広刑務所移送】罪深きスッチーのお尻と眼下の愛する東村山に「グッバイ‼️」《懲役合計21年2カ月!! 生き直し人生録》
「ヤクザとキリスト」凶悪で愉快な塀の中の住人たちVol.4
◼︎グッバイ! 愛する東村山‼️
ボクは、スッチーの今にも弾けそうなパンティラインの浮き出たお尻を見たかった。しかし、ボクの手錠に繋がっている青い紐を握った担当の身体がボクとスッチーの間を邪魔しているので、その後ろ姿を見ようにも見ることはできなかった。
ボクは担当に向かって、お前の頭が邪魔で「よく見えないぞ! もっと端へ寄れ! この野郎!」と叫びたい気持ちを抑えながらも、前を歩く担当の頭を蹴飛ばしてやりたい思いに駆られた。
それでもボクは、スッチーの後ろ姿を見ようと、必死に首を伸ばした。そして担当の頭が揺れるとできるわずかな間隙を縫って、ボクを挑発するかのように右に左にプリプリ揺れているお尻に見入った。
ボクは思った。ボクの前に担当がいなければ、きっと理性の糸がプツンと切れて、スッチーを襲っていたかもしれない……と。それほど、ボクの身体は女に飢えていたのである。
案内されて座席に着くと、荷物を収納ボックスへ放り込み、座席シートへ身を沈めた。さっそく、あたかも沼地の中から目だけを覗かせて辺りの様子を窺うワニのごとく、件のスッチーを探して辺りの様子をじっと窺ってみる。
少しすると、夏のカラフルな洋服を着た搭乗客が乗り込んできた。ボクは物珍しげにその光景を見ていたが、強烈な女体への渇望はどうしても抑えることができず、胸の大きな女や、腰がくびれ、お尻がパンと張ったエロっぽい女だけに目がいってしまう。
そうこうするうちに、ボクたちとは反対側の通路席で、栗毛色の髪をカールにし、腰がくびれてお尻の張り具合がボク好みの女の、収納ボックスに荷物を入れようとしている後ろ姿が目に止まった。
おっ! なかなかいい女だな……。
そう思いながら、ボクはこちら側に振り向いてくれることを期待していた。
すると、神にその願いが通じたのか、収納ボックスの蓋を閉めた女が何気なくこちら側へ振り向いた。その瞬間、ボクは神に裏切られ、クソ溜めの中に頭から突き落とされたような思いになった。
そして「天は二物を与えず」という金言を思い出し、思わず神のあまりにもひどいその所業を呪ったのである。理由は、あらためて書かなくてもおわかりいただけるであろう。
機は、やがて離陸。眼下に羽田沖の小さくなった光景を斜めに旋回すると、北に向かった。ボクは愛する東京、そして、愛する東村山に「グッドバイ !」と、独りセンチメンタルにつぶやき、別れを告げた。
(『ヤクザとキリスト〜塀の中はワンダーランド〜つづく)
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2020年5月27日『塀の中のワンダーランド』
全国書店にて発売!
新規連載がはじまりました!《元》ヤクザでキリスト教徒《現》建設現場の「墨出し職人」さかはらじんの《生き直し》人生録。「セーラー服と機関銃」ではありません!「塀の中の懲りない面々」ではありません!!「塀の中」滞在時間としては人生の約3分の1。ハンパなく、スケールが大きいかもしれません。
絶望もがむしゃらに突き抜けた時、見えた希望の光!
「ヤクザとキリスト〜塀の中はワンダーランド〜」です。